地震保険は本当に必要か|加入の判断基準と補償内容、注意点を解説
「地震保険が本当に必要なのか判断できない」、「保険料に見合う補償を受けられるのか知りたい」とお悩みの方へ。
地震保険は、すべての世帯に一律で必要とは言い切れません。
一方、地震で自宅が被害を受けた後の修理費や仮住まい費、家財の買い直し費用を貯蓄だけで賄えない場合は、加入する必要性が高くなります。
ただし、地震保険は住宅の再建費用全額を補う制度ではなく、被災後の生活再建を支えることが目的です。
本記事では、地震保険が必要か判断する基準、補償内容、必要性が高い人の特徴、加入時のポイントを解説します。
ご自身の家計と住まいに合う備え方を整理したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
〈このコラムを読んだら分かること〉
- 地震保険は、被災後の支出を自己資金だけで賄いにくい方ほど必要性が高くなります。
- 地震保険の保険金額は火災保険金額の30%〜50%で、住宅の再建費用全額を補償する制度ではありません。
- 加入前は、建物と家財の契約対象、保険料、割引、税制、既契約への付帯可否などを確認する必要があります。
地震保険は必要か|生活再建資金が不足する場合は必要性が高い

結論からお伝えすると、被災後の住居費や生活費を自己資金だけで賄えない方は、地震保険の必要性が高いといえます。
地震保険の目的は、損害を受けた住宅を元どおりにすることではなく、被災者の生活の安定に役立てることです。
被災後は、住宅ローンの返済を続けながら、修理費や仮住まい費、引っ越し費、家具・家電の購入費などを負担する必要が生じます。
以下の表の項目を確認し、不足が見込まれる金額を地震保険でどこまで補いたいか整理しましょう。
| 確認項目 | 判断基準 |
|---|---|
| 住宅ローン | 被災後も返済を続けながら住居費を負担できるか |
| 修理・再建費 | 自己資金で用意できる金額はいくらか |
| 仮住まい費 | 家賃や引っ越し費を何か月分確保できるか |
| 生活費 | 収入が減った場合も生活防衛資金を残せるか |
| 家財費 | 家具・家電・生活用品を買い直せるか |
公的な被災者生活再建支援制度では、一定の条件を満たす世帯に最大300万円が支給されますが、すべての世帯が対象になるわけではありません。
また、公的支援だけで住宅の修理・再建費用を全額賄えるとは限らないため、ご自身の貯蓄と保険を適切に組みあわせて考えることが重要です。
地震保険だけでなく、平時のうちに耐震改修を検討・実施しておくと、もしもの時にご家族の安全や大切な財産を守れます。
古い家のリフォームで利用できる補助金や減税制度もありますので、気になる方は以下の記事を参考にしてください。
〈関連ページ〉【2026年最新】古い家のリフォームで使える補助金一覧と条件|注意点、減税制度の活用術
地震保険の補償内容と保険金額の目安

加入の必要性を判断するには、地震保険で補償される損害と保険金額を事前に理解しておく必要があります。
補償内容と設定できる保険金額、損害認定の仕組みについて順番に見ていきましょう。
地震・噴火・津波による火災や損壊が補償対象
一般的な火災保険では、地震を原因とする火災や延焼、建物の損壊などは補償されません。
地震・噴火、またはこれらによる津波が原因の火災、損壊、埋没、流失へ備えるには、火災保険に地震保険を付帯する必要があります。
補償対象は、居住用の建物と生活用の家財で、店舗専用の建物や一定額を超える貴金属などは対象外です。
火災保険へ加入済みでも、地震保険を付けていなければ地震由来の被害を補償できないため、保険証券や契約者向けページなどで現在の付帯状況を確認しましょう。
保険金額は火災保険金額の30%〜50%
地震保険で設定できる保険金額は、付帯する火災保険の保険金額に対して30%〜50%の範囲です。
保険金額には、建物5,000万円、家財1,000万円といった上限も設けられています。
たとえば、建物の火災保険金額が2,000万円の場合、地震保険金額は600万〜1,000万円の範囲で設定することになります。
そのため、地震保険だけで同等の住宅を建て直すことを想定するのではなく、当面の住まいと暮らしを立て直すための資金として捉えることが大切です。
損害区分に応じて保険金が支払われる
地震保険では、修理見積額がそのまま支払われるのではなく、保険会社が認定した損害区分に応じて保険金が決まります。
2017年1月1日以降に保険期間が始まった契約の区分と支払割合は、次のとおりです。
| 損害区分 | 支払われる保険金 |
|---|---|
| 全損 | 地震保険金額の100% |
| 大半損 | 地震保険金額の60% |
| 小半損 | 地震保険金額の30% |
| 一部損 | 地震保険金額の5% |
各損害区分の保険金は、建物・家財の時価額に対する同じ割合が上限になります。
損害が一部損の基準へ届かない場合は保険金が支払われないため、契約額だけでなく認定方法も細かく理解しておきましょう。
契約時には保険金の大きさだけでなく、どのような損害が各区分に該当するかも保険会社へ確認してください。
リフォームラボでは、木造住宅の耐震診断を含め、建物の状態に応じたリフォーム計画をご提案しています。
築年数や耐震性に不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
地震保険の必要性が高い人の特徴

地震保険の必要性は、被災する確率だけでなく、被災後に家計が受ける影響によって変わります。
次の4つの特徴に当てはまる方は、保険料と得られる生活再建資金を具体的に比較し、加入を検討しましょう。
住宅ローンが残っている
住宅が地震で大きな被害を受けても、原則として住宅ローンの返済義務は残ります。
修理中に賃貸住宅へ移る場合は、ローン返済に加えて家賃や引っ越し費も必要です。
ローン返済と仮住まい費の二重負担に貯蓄で対応するのが難しい方は、地震保険へ加入しておくと安心です。
ローン残高だけでなく、月々の返済額、手元資金、収入が途切れた場合の生活費をあわせて確認しておきましょう。
貯蓄だけで修理・再建・仮住まい費用を賄えない
地震後には、建物の修理・解体費だけでなく、仮住まいの敷金や家賃、引っ越し費なども発生します。
貯蓄の大半を住まいの復旧へ充てると、教育費や医療費、日々の生活費が不足するおそれがあります。
必要額を試算するときは、住宅関連費を支払った後も生活防衛資金を残せるかを確認しましょう。
公的支援には対象条件があるため、支給を前提にせず不足額を見積もると、過不足の少ない判断につながります。
仮住まいの期間を短く見積もりすぎないよう、家賃や生活費を複数の期間で試算するのが有効です。
家財の買い直しまで自己資金で備えにくい
地震では建物の損壊が限定的でも、家具の転倒や食器の破損、家電の故障などが重なる場合があります。
冷蔵庫、洗濯機、寝具、調理器具などを一度に買い直すとなると、まとまった資金が必要です。
建物の地震保険だけでは家財を補償できないため、家財の再取得費用を自己資金で負担できるかも分けて検討してください。
所有する家財を部屋ごとに書き出すと、必要な補償額を考えやすくなります。
高額な家財だけでなく、衣類や食器などの日用品の再購入費も含めて見積もりましょう。
自宅周辺や建物の地震リスクに不安がある
地域の揺れやすさは、防災科学技術研究所のJ-SHISなどで確認できます。
ただし、地域の情報だけでは個別の建物が受ける被害を断定できません。
地域のハザードマップに加え、築年数や構造、地盤状況、建物の耐震性能をあわせて確認することが大切です。
〈参考〉防災科学技術研究所「J-SHIS 地震ハザードステーション」
世田谷区にお住まいで、建物の耐震性に不安がある方は、地震保険の検討とあわせて木造住宅の耐震化支援も確認しておきましょう。
世田谷区・東京都・国の補助事業については、以下の記事で確認できます。
〈関連ページ〉世田谷区のリフォーム補助金まとめ|区・都・国の補助事業の対象工事と補助金額、注意点
地震保険へ加入する前に確認すべき4つのポイント

加入前に契約対象と補償額を整理しておくと、必要な備えの抜け漏れを防げます。
保険料だけで比較するのではなく、補償対象や割引額、税制面、契約方法までを確認しましょう。
建物と家財の契約対象をそれぞれ確認する
地震保険では、建物と家財を別々の対象として契約します。
建物だけを契約している場合、家具や家電が損害を受けても家財の保険金は支払われません。
反対に、家財だけの契約では建物の損害を補償できません。
現在の契約が建物・家財のどちらを対象としているかを保険証券で確認し、必要に応じて保険会社や代理店へ相談しましょう。
契約対象の名称だけでなく、それぞれに設定されている地震保険金額も確認すると、想定する不足額とのずれを把握できます。
所在地・建物構造・補償額で保険料を見積もる
地震保険の基本料率は、主に建物の所在地と構造によって決まります。
同じ保険プランでも、都道府県や建物構造が異なれば、保険料も変わる点に注意が必要です。
また、火災保険金額の30%〜50%の範囲で設定する割合によっても保険料は変動します。
複数の補償額で見積もりを取り、必要な生活再建資金と継続できる保険料のバランスを確認しましょう。
耐震性能による割引と地震保険料控除を確認する
所定の要件を満たす建物には、免震建築物割引、耐震等級割引、耐震診断割引、建築年割引のいずれかが適用されます。
| 割引制度 | 割引率 |
|---|---|
| 免震建築物割引 | 50% |
| 耐震等級割引 | 耐震等級に応じて10%・30%・50% |
| 耐震診断割引 | 10% |
| 建築年割引 | 10% |
各割引は重複して適用できないため、利用できる制度と必要書類を保険会社へ確認してください。
支払った地震保険料は、一定の条件下で所得税の地震保険料控除の対象となり、控除額の上限は5万円です。
なお、地震保険料控除は所得から差し引く所得控除であり、支払った保険料や税額がそのまま口座に戻る制度ではありません。
火災保険の契約途中でも地震保険を付帯できる
地震保険だけを単独で契約することはできず、火災保険とセットで加入します。
一方、火災保険の契約時に地震保険へ加入しなかった場合でも、火災保険の契約期間中に地震保険を付帯できます。
契約変更の手続きや補償開始日については、保険会社によって確認が必要なため、現在の火災保険を契約した会社または代理店へ問い合わせましょう。
付帯を検討するときは、建物と家財の対象範囲や保険金額も同時に確認すると、補償の抜け漏れを防げます。
リフォームラボでは、木造住宅の耐震診断から建物の状態に応じたリフォーム計画までご提案しています。
地震保険の必要性と住まいの対策をあわせて検討したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
地震保険に関してよくある質問

最後に、地震保険に関してよくある質問にお答えします。
Q. 地震保険の保険金はいつまでに請求すればよい?
保険法では、保険給付を請求する権利は原則として3年間行使しないと時効によって消滅すると定められています。
ただし、時間がたつほど被害の原因や発生時期を確認しにくくなるため、安全を確保した後は速やかに保険会社または代理店へ連絡しましょう。
Q. 大地震の際も保険金は契約どおり支払われる?
原則として、契約内容に基づいて支払われます。
ただし、地震保険には、1回の地震などによって支払う保険金の総額に限度がある点に注意が必要です。
損害額の総額が限度額を超える場合は、法令に基づいて個々の契約で支払う保険金が削減される可能性があります。
この場合、財務省の見解によると、被害の実態に即し、「保険制度の枠内にとらわれず幅広い観点で支援策が適切になされるべき」と示されています。
なお、この内容は、あくまで財務省の見解であり、具体的な他の支援策を断定するものではありません。
〈参考〉財務省「大地震が発生した場合も保険金は全額支払われますか」
Q. 損害認定の結果に納得できない場合はどうする?
損害認定の結果に疑問がある場合は、まず契約している保険会社へ査定の根拠を確認しましょう。
確認したい箇所の写真、被害が発生した時期、建物や家財の状況を整理して伝えると、相談内容が明確になります。
保険会社との話し合いで解決しないときは、参加保険会社に関する苦情や紛争を扱う「そんぽADRセンター」へ相談する方法があります。
万が一、地震後に屋根修理が必要になった場合、保険会社へ任せきりにせず、現地調査や見積もり内容を冷静に確認することが大切です。
日野市で屋根修理を依頼する工務店の選び方や、見積もり前の確認事項については、以下の記事を参考にしてください。
〈関連ページ〉日野市で屋根修理を依頼する工務店の選び方|見積もり前の確認ポイントも解説
まとめ|地震保険は生活再建に必要な資金から判断しよう

地震保険は、すべての方に一律で必要な保険ではありません。
しかし、住宅ローンの返済を続けながら修理費や仮住まい費を負担する方や、家財の買い直しまで貯蓄で賄いにくい方にとって、生活再建資金を確保する有効な手段になります。
被災後に必要な金額から自己資金と公的支援の見込みを差し引き、不足分を補える契約かどうかを確認することが大切です。
具体的な補償内容や保険料、請求手続きは、契約中または検討中の保険会社・代理店へお問い合わせください。
保険による経済的な備えとあわせて住まいの状態も確認すると、今後必要になる対策の優先順位を整理できます。
リフォームラボでは、木造住宅の耐震診断を含め、建物の状態に応じたリフォーム計画をご提案しています。
築年数や住まいの耐震性に不安がある方は、リフォームラボへお気軽にご相談ください。
監修者情報
- リフォームラボ インテリア担当
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